会長ご挨拶

 日本会計史学会は、1979-79年にかけて日本会計研究学会に設置された「会計史に関する特別委員会」が設立の契機です。特別委員会の構成員であった、泉谷勝美(大阪経済大学)・小倉栄一郎(滋賀大学)・小島男佐夫(関西学院大学)・白井佐敏(大阪市立大学)・高寺貞男(京都大学)・辻厚生(大阪市立大学)の諸氏を中心に、1981年6月に71名の発起人によって日本会計史学会設立準備委員会が組織され、1982年6月2日に会員数177名をもって「日本会計史学会」は正式にその産声を上げました。現在でこそ日本には、多くの会計学領域に関連する学会がありますが、私たち日本会計史学会は、その中でも比較的初期に組織された学術団体です。
40年を超える本学会会員の活動は多くそして豊かな蓄積があります。対象とする時代や地理的範囲はたいへん広く、自由闊達で多様な研究が展開されています。
 国際的に見た場合、アメリカを拠点とするAcademy of Accounting Historiansが、1973年に設立されていますが、日本会計史学会は、会計史関連の学術組織としては、これに次ぐ歴史を有しています。本学会ならびに本学会会員は、海外での活躍も盛んに行ってきています。1992年には第6回となる世界会計史大会(World Congress of Accounting Historians)が京都で開催され、また、2001年には第2回Accounting History International Conferenceが複数の会員の尽力によって大阪で開催されるなど、日本会計史学会およびその会員は、日本の会計研究領域ではいちはやく国際的な研究交流に関わり貢献してきています。
 これからも、国内外に向けて、会計史の教育ならびに研究の重要さと面白さを力強く伝えていく所存です。
 日本会計史学会は、会計史の研究と教育に携わる者であれば入会できる開放的な組織です。関心を持つ多くの方の入会をお待ちしています。

日本会計史学会会長 工藤栄一郎